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だらだら思いつくままに香港フィルのコンサートの感想を書いています
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半導体商人
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1996年より香港在住です
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ブラームス; 二重協奏曲
ショスタコヴィッチ; 交響曲8番
指揮; ヤープ・ヴァン・ズウェーデン
ヴァイオリン; 呂思清(Lu Siqing)
チェロ; 泰立巍(Li-Wei)

2005/2006のシーズン、客演指揮でもっとも期待していた演奏会が
ズウェーデン指揮のこの演奏(来週も同じくズウェーデン指揮)。
長くロイヤルコンセルヘボー・オケのコンサートマスターを務めた
ズウェーデンですが、指揮者に転向してからの面目躍如ぶりは知る人ぞ知る逸材。



最初の通称ダブルコンチェルト、これは酷かった。何が酷いといっても、
ソロを務めた二人、リハーサルとかちゃんとしたのか?というコンビネーションの悪さ。
お互いかってに弾いているって感じ。ヴァイロリンの呂はVery Chineseな
音色でげんなり。つまりポルタメントこってり、甘々、ねっちょり演奏で、
ブラームスをムード音楽みたいに演奏してた。
Li Weiは2年前ロンドンのプロムスでプロコフィエフのチェロ協奏曲を聴いて以来。
2年前聴いた時、なんだかぁ~って印象でしたが、今回もなんだかぁ~でした。
つまり成長していないってことね。

ダブルコンチェルトでげんなりしたんですが、後半のショスタコ8番には
度肝を抜かされました。曲が曲だけにある程度は予想できたけど、
ズウェーデンがオケを煽る煽る!オケがまた乗る乗る!
見事に指揮者とオケとの歯車があっている時のプロの凄さを
まざまざと見せつけられました。香港のクラシック掲示板では
何人もの人が異口同音に「今までで最高の香港フィルの演奏」と書き込みが
されていることからも、どれだけこの演奏会が素晴らしかったか想像つくかと思います。

=mixiに香港フィルのコミュを立ち上げています。是非ご参加ください!=

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モーツァルト; 交響曲29番 ヴァイオリン協奏曲3番
トネッティ; 異常なパガニーニのカプリース24番
ショスタコヴィッチ; 室内交響曲
指揮&ヴァイオリン; リチャード・トネッティ



オーストラリア室内楽団のリーダーを長く務めるトネッティが今夜の指揮者、
そしてヴァイオリンソロ。室内楽団出身というわけか、それとも演奏される曲の
せいなのか、香港フィルのメンバーは少な目。しかもチェロやコントラバス以外は
すべて立ったままの演奏。メンバーを刈り取った関係で演奏は実にすっきりと
していてなんとも気持ちいい、ってのが第一印象。今まで香港フィルでは
こういうスタイルの演奏ってしたことがないですね、とても新鮮。
考えてみると良いオケというのは総じて自発的に室内オケなんかを創設している。
ベルリンフィルなどは一体いくつのメンバー結成のグループがあるの?という位多い。
いろんな音楽スタイルに挑戦することで、オケのレベルが向上するのは自明の理。

今夜の演奏で一番傑作だったのはトネッティ自作の「異常なパガニーニの
カプリース24番(Deviance on Paganini's Caprice No.24)。
元になっているパガニーニのカップリースは、このサイトをご覧になっている方なら
良くご存知の曲。トネッティは原曲、そしてパガニーニにまつわる話を
ぎゅーっと小品にまとめあげてある。トネッティ、実際は易々とこのカップリースを
演奏できるのですが、作品の冒頭では聞くに堪えないような演奏の失敗を
(敢えて)何度も繰り返し、そして最後は完璧なカップリースニ仕上げる。
つまりとんでもない超絶技巧を要するこの曲を悪魔(パガニーニ)が作ったおかげで、
世のヴァイオリニストがどんだけ迷惑しているか、演奏に失敗でもしたら
ヴァイオリニストの命はそれまで。
これじゃまさに悪魔の思い通りになっちゃうじゃないか!なんてことを言っているような
作品でした。ライブならではの作品ですが、また聴きたいなぁ。

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ブラームス; 運命の歌 R.V.ウイリアムス; 5つの神秘な歌
フォーレ; レクイエム 他 
指揮; サイモン・ハルジー
ソプラノ; テレサ・ラ・ロッカ
バリトン; アシュレイ・ホーランド
合唱; バーミンガム市交響楽団合唱団

前日演奏された復活の名演奏の感動が覚めやらぬまま、また香港フィルを聴く。
指揮はバーミンガム市交響楽団合唱団の指揮者ハルジー。合唱指揮者が
オケも振るって演奏会はぼくは始めての経験。合唱の指揮をするオケ指揮者はいるけど、
合唱団の指揮者がオケを指揮する機会ってあまりないのかもね?と思いながら
演奏会を聞きましたが、これが意外に意外!とてもいい演奏でした。
やはり合唱指揮者だし、主兵の合唱団を率いているため、合唱のコントロールは
実に見事。オケ指揮者だとここまで合唱を統率できないのでは?と思う。
香港フィルは合唱に寄り添うようなとても落ち着いた演奏。素晴らしかったです。
オケ付合唱曲はむしろ合唱指揮者の方が適切じゃないのかな?とこの演奏を
通じて感じました。いかがなんでしょう?

聴きながら思ったのですが、最高の指揮者ってのは合唱を手がけ、
オケを手がけ、オペラハウスの実績もあり、そして作曲が出来、教育者としての
指導も出来るってことかな、と。果たしてそんな指揮者いるの???
いました、いました!その名はガリー・ベルティーニ。自身でイスラエルで
リナット合唱団を、そしてイスラエル室内管弦楽団を創設し、エルサレムでは
教鞭をとり、作曲も手がけ、数年前に新設された新イスラエル歌劇場の
初代音楽監督を務めた彼。改めてベルティーニさんって凄い指揮者だったんだなぁ。

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マーラー; 交響曲第2番
指揮; エド・デ・ワールト
ソプラノ; 張嘉琳(JiaLin-Marie Zhang)
メゾソプラノ; キャロル・ウイルソン
合唱; バーミンガム市交響楽団合唱団

毎年香港では春になると香港芸術節(Hong Kong Arts Festival)が開催され、
世界中のオケや音楽家、オペラや舞踏家、演劇が1ヶ月以上に渡って一気に上演される。
今年はサンフランシスコ交響楽団やアンサンブルウィーンベルリン、
ニュールンベルグ・オペラ・ハウスなどなど。地元香港フィルも勿論参加していて、
今年はエドがもっとも力を入れているマーラー、作品は復活。

復活ってCDではそれこそ何回聞いたかわからない位聞いていますが、
演奏会では僅か2回だけ。指揮者はいずれもベルティーニさん、
そして彼の演奏会を初めて聴いたのもこの復活。
そういうわけで、とりわけベルティーニ・トーンが刷り込まれてしまっている作品でもある。

エドの演奏はベルティーニさんの演奏とはだいぶ違っていた。ベルティーニさんの演奏は
他の作品でもとにかく緻密に作り上げる、ってスタイルですけど、エドの方はどちらかと
いえば幾分おおらか。といって緻密さに欠けるってことは全くなくて、節回しや音楽の流れが
実によくコントロールされていて、しかも決して窮屈でない、そんな印象でした。

オケの演奏もさることながら合唱の見事さには圧倒された。合唱はサイモン・ラトルと
黄金時代を築いたバーミンガム市交響楽団合唱団。舞台後方のオルガンを
取り囲む2階席に合唱団は陣取る。驚くことに全員が座ったままで合唱!
余計な力が入らない分、非常に静かでズシリッと重い音を奏でて、
ドンちゃん騒ぎでない復活を演出してくれた。
そしてようやく最後の最後になって合唱団は一斉に起立し、
Aufersteh'n, ja aufersteh'n wirst du, Mein Herz, in einem Nu!と唄いだす。
フィナーレの感動は言葉では表現できないほどの荘厳さと偉大さを実感させてくれました。

あまりマーラーを今まで演奏していない香港フィルがエドの指導下、これほど素晴らしい
マーラーを聞かせてくれるなど、夢にも思いませんでした。
香港ではスタンディングオベーションは極めて稀なのですが、
この復活に対しては惜しみない拍手が会場を包んだ、今後の香港フィルの高まりを
実感させてくれるモニュメンタルなコンサートでした。

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ワーグナー; ジークフリート牧歌
R・シュトラウス; 歌曲より4曲 Morgen、Wiegenlied、Caecilie、Zueignung
マーラー; 交響曲第4番
指揮; エド・デ・ワールト
ソプラノ; ジェラルディン・マクグリーヴィー



エドのマーラー4番、このプロを見ただけでワクワクしてしまいます。
ずばりもう言うこと無し、でした。テンポといい、旋律の流れといい、フレーズの掛け合いといい、
これだけ練りに練り上げた演奏は現在活躍する指揮者でもそういないのでは?という演奏でした。
残念なのは、土曜日というのに7割位の入り、そして演奏を終えた直後の静寂を
ブチこわした無節操な拍手。これさえ無ければ・・・、なんて贅沢な悩みだけを残した
実に素晴らしい演奏でした。4番はぼくにとって最初に買ったマーラーのLP。
ちなみにそのLPはメータ&IPO&ヘンドリックスのDECCA盤。
アッバード&WPO&シュターデ(DG)の方が当時は評判よかったんだけど、
digital録音だったということだけで買ったんです。でもヘンドリックの本当に
天使のような歌声には魅了されましたね。香港フィルと共演したマクグリーヴィー、
ヘンドリックスの声とは全く異なりますが、なかなかよかったです。
イギリス人女性が歌うマーラーってボクには肌が(耳が?)あっている。
キャサリン・フェイアーとかジャネット・ベイカーとかね。

マーラーばっかり書いたけど、冒頭のジークフリート牧歌も出色の出来。
11/20の演奏会でプレーしたベートーヴェンの大フーガやドヴォルジャークの
管楽セレナーデみたいな作品はかつての香港フィルがもっとも不得意としていた曲でしたが、
エドのジークフリート牧歌はそんな不安なイメージなど全く感じず、
安心して演奏を楽しめる出来でした。名盤中の名盤、ワルター&コロンビアSOを
ふと思い出してしまうような、ほのかな温かさを感じる実に味わい深い演奏でした。

来月はマーラーの2番「復活」です、もうドキドキっす。

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モーツァルト; 後宮からの逃走 序曲
ベートーヴェン; ピアノ協奏曲第4番
ブリテン; 青少年のための管弦楽入門
ヴォーン・ウイリアムス; グリーンスリーブス幻想曲
ジョン・ウィリアムス; 「スターウォーズ」組曲
指揮; エド・デ・ワールト
ピアノ; レイチェル・チャン(Rachael Cheung)

今年最初の香港フィル、プログラムが多彩なのは、去年から始まったSimply Classicってシリーズだからです。このSimply Classicは日頃あまりクラシックコンサートに来ない人のために、比較的聞きやすい作品を集めて、そして簡単な解説を曲の合間でナレーションするという企画。この企画は2004-2005年にもあったのですが、'04 9月の演奏会は稚拙な企画でめちゃくちゃでした。僕以外の観客からもクレームがありました。そういうことで、いくらエド・デ・ワールトが演奏するスターウォーズが聞けるとはいえ、かなり心配しながらホールに足を運びました。しかしさすがは香港フィル!ファンの声に素直に耳を傾けたおかげでしょうか、曲の間のナレーション、その語り口は決して音楽をじゃますることはなかったし、ナレーターの出てくるタイミングなどもなかなか。これならこのような企画もいいかな、とかんじました。

さていくらナレーションがよくても演奏会が悪ければ何もなりません。
タイトルにかいた「熟練の14歳ピアニスト」、香港生まれのレイチェル・チャン、



写真に載せたようにガキンチョ丸だしの女の子ですが、音楽はもう熟練の域!

ベートーヴェンのピアノコンチェト4番って冒頭オケより先にピアノだけが奏でるという、ピアノコンチェルトでもとても珍しい作品。レイチェル心地いい程度に音のタメを作って、そして実に慎重に旋律を奏でる。伴奏をつけるエドが好きそうな演奏だな、ってまず感じました。重たすぎず、変に技巧的にならず、自然にふぁっと音楽が包み込むように響く、そんな感じ。なかなかこんな自然体な音楽、しかも若干14歳の女の子が演奏するなんて信じられなかった。
とにかくブラボーな演奏でした。

他の作品ですが、みんなよくできていましたね、エドが演奏するから悪いわけが勿論ないですが・・・。
さて最後の「スターウォーズ」組曲。絶対って言ってもいいけど、こういう作品は日本でエドの指揮じゃ聞くことは出来ないでしょうね。まぁ贅沢な演奏でしたよ。超一流の指揮者が真剣に取り組むと「スターウォーズ」の作品の素晴らしさが改めて実感させられました。

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リムスキー・コルサコフ; 「ロシアの復活祭」序曲
プロコフィエフ; ヴァイオリン協奏曲第2番
リャードフ; 挽歌(Nenie)
ボロディン; 交響曲2番
指揮; アレクサンドル・ラザレフ
ヴァイオリン; 竹澤恭子

客演指揮者を迎えての香港フィル定期演奏会で注目をしていたものの一つが、
このコンサート。まずこれまで何回も香港フィルと競演している竹澤恭子
そしてかつてロシアのクライバーなんて呼ばれていたラザレフ。
プログラムはご覧のようにコテコテのロシアオンパレード。

ラザレフ指揮棒は全く持たない(そういえば、ロシアの指揮者って指揮棒無しの人
多いですよね、テミルカノフもスヴェトラノフもそうだった。
指揮棒買う金をウオッカ代にまわしているのか?)で指揮しますが、
実に細かく身振り手振りで楽員をコントロールしていました。
ロシアのクライバーって言われているけど、クライバーのように左手をぐるんぐるん回して、
華麗な指揮をするのとは大違いだけど、確かに指揮する姿はそれ自体が表現豊か。
さすがは一時はガタガタになったボリショイ歌劇場を建て直した(でもその後お家騒動で
追い出されたそうですが)だけの実力を凄さを垣間見ました。
そして曲が終わると毎回観客に向かって投げキッス、おぉーロシア、スパシーバ!!

竹澤さんですが、いつもながらに説得力のある演奏、それでいてMIDORI(五島みどり)みたいに
聞いててもしんどくない。前回彼女の演奏会聞いたのはいつだった忘れちゃったけど、
ちょっと丸みがあるというか、いい意味で肩の力が取れたかな、そんな演奏。
やっぱり去年出産されて、ママとしても余裕というか貫禄出たかも。
ただステージマナーっていうか終演後、幼稚園か何かのお母さん方の集まりで
「あらどぉ~もぉ~」みたいなとってもジャパニーズなお辞儀をしていたのが気になった。
彼女NYに住んでいるのに、NYの日本人ママさんバレーにでも入ってるんかな?と疑ちゃっいましたわ。



プログラムの話に戻りますけど、オール・ロシアにしては、結構マニアックな作品が多いですよね。
それと個人的にはあんまり好きじゃない曲が多かった。トリのボロディンのSym.2、
第1楽章からしてしつこい。ジャァ~、ジャジャンジャジャジャジャァ~ンって何回も何回も
同じ旋律が出てくる。もうエエちゅうに!ってなるんですよ。
そういえば若きクライバーがシュトットガルト放響SOとボロディンの録音を残していたなぁ。
ラザレフまさかそれを意識したのか???あとプロコのコンチェルト、プロコフィエフは
大好きな作曲家なんですが、コンチェルトはヴァイオリンもピアノもどうもなじめない。
これは個人的な印象なんでどうしょうもないけど、ホント相性悪いっすね。
一方今回初めて聴いたリャードフの挽歌、すてきな作品ですね。
なんかトリスタンとイゾルデの「愛の死」みたいな美しい曲でこれには堪能。

12月から1月はクリスマスやニューイヤー関連のコンサートばかりでしばらく演奏会はおあずけ。
そして1月中旬にまたエド・デ・ワールトのコンサートが聴けます。
演奏会のメインはなんとスターウォーズ組曲。

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ドヴォルジャーク; 管楽セレナーデ
ベートーヴェン; 大フーガ
ラフマニノフ; ピアノ協奏曲第2番
指揮; エド・デ・ワールト
チェロ; イリヤ・ラシュコフスキー(Ilya Rashkovskiy)

ロン・ティボー国際コンクールをはじめさまざまなコンクールで賞を取りまくっているラシュコフスキー
今年の香港国際ピアノコンテストでも見事1位を獲得したってことで、先週のコンサートに続いて
当初の定期プロには無かったコンサートがありました。指揮は芸術監督エド・デ・ワールト。

エドはPHILIPSにコチシュとかつての手兵サンフランシスコSOとで名盤の誉れ高きラフマニノフの
ピアノ協奏曲集を録音し、近年ではオランダ放送SOとラフマニノフの全交響曲及び管弦楽曲を録音、
9年前のシドニーSOとの来日公演のメインプロはラフマニノフの交響曲2番、そして今年の読響との
初顔合わせでは同じくラフマニノフの交響曲3番を演奏するなど、ラフマニノフには
ひとかたならないようですが、今夜のラフマニノフも一言さすが、貫禄のラフマニノフって印象でした。

去年20歳になったばかりのラシュコフスキーの実にのびのびとした演奏を慈しむように
オーケストラがバックを演じる。第2楽章のこぼれんばかりの美音の連続に、感動しない観客は
一人もいなかったのではと思います。



前半の2曲。この手の作品はかつての香港フィルだと、一番苦手なモノばかり。演奏家同士が
よく聴き合っていないと、どちらもガタガタになる作品ですが、敢えてエドはそういった作品を選び、
オケの演奏力向上を図ったのでは?と思います。まずドヴォルジャークの管楽セレナーデ、
それぞれのフレーズが実に自然、全然無理がない。しかしこれが難しいんでよね、
お見事香港フィル!クーベリークがECOと録音した名盤をふと思い出しました。
そして大フーガ。ヴァイオリンを両翼に配置し、ずっしりとそしてとてもふくよかな響きを
醸し出してくれました。

で、この演奏会、一番高い席でHK$250(約3,500円)、一番安い席だとHK$100(約1,400円)、
しかも毎度のことながら、学生や高齢者は全て半額。いいでしょぅ~、香港!

プログラムに書いてある今後のプロを見ていたら、定期公演発表の時点ではエドが振る
マーラーは無かったのですが、1/20&21に4番、2/16に2番を振ることが決まりました。
エドとのインタビューで言っていたマーラーチクルス、ちゃんと果たしてくれています。嬉しい~。

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ロッシーニ; ウイリアム・テル 序曲
バッハ; 2台のバイオリン協奏曲
ブラームス; ハンガリー舞曲5番
サンサーンス; 死の舞踏
坂本龍一; 戦場のメリークリスマス
バーンスタイン; ウエストサイド物語~マンボ
他小品
指揮; ハルメン・クノッセン(Harmen Cnossen)
ヴァイオリン; DUEL

イギリスで大ブレークしているDUELのコンサート。定期プロには本来入っていなかったコンサートですが、客席はほぼ満員。意外とこの手の演奏会の方が客は入るのかな、とちょっと複雑な気持ちにまずなりました。だってDUELってのはちょっと前にはやったBONDや女子十二楽坊みたいなイロモノのコンビと思ったんで。

しかし・・・、プロの最初で演奏されたバッハで逆の意味で期待を裏切ってくれました。なかなか聴かせてくれる音色、そしてしっかり音楽性に裏打ちされた演奏でビックリ!なかなか真面目なイケメン君たちじゃないですか!これなら普通に演奏活動してもいけるにぃ、って思ったけど、やはりマーケット研究の結果、お兄ちゃんたち、これでいくぜ!となったのかな。

で、アンコールは中国版ロメオとジュリエット”梁山泊と祝英台”。観客盛り上がる盛り上がる!やっぱりマーケット力、さすがだわん。

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香港フィルの今シーズンは9月中旬に演奏会形式の”エレクトラ”に始まったんですが、あいにく行けずじまいで今日のトゥーランドットがぼくにとっては2005年のシーズンの始まり。でもこの演奏会はオペラ・香港ってのが主催で、そのバックを香港フィルが演奏したので、オケの定期演奏ではありません。でもエレクトラと違ってれっきとした舞台形式。トゥーランドットはボエームとトスカと共にぼくが一番好きなオペラなんで、楽しみに見(聴き)に行きました。

オープニングは北京の故宮正門を模した舞台装置。原作の舞台を忠実に表現してくれてまずは満足。最近の演出は近未来になったり、とんでもない装置でビックリさせてくれるのも多いですが、ぼくはオーソドックスな演出が好きですね。Califを歌ったジョン・ホートン・マレイ(John Horton Murray)は丁寧に歌ってくれるけど、ちょっと声量と迫力不足かな。一方リュウを演じたロシア歌手オルガ・チェルニシェヴァ(Olga Chernisheva)はなかなかのもの。3幕のリュウが自決するシーン、思わず泣いちゃいました。それにしてもあのシーンは本当に切ないですよね。今回の演出はトゥーランドットの髪飾りをリュウが奪って、それで自決をしました。ゼッフィレルリが演出したメトのDVD(レヴァイン指揮)は兵士の剣を奪って自決するものだったけど、恋敵のトーゥランドットの髪飾りで自決し、カリフへの想いを永遠のものにするっというのはなかなかの演出。またリュウが亡くなったあとカリフが近づいた時、カリフの父ティムールが払いのけるようにして、カリフが接近するのを拒んだとこ、これは心憎かったなぁ。一方ケッサクだったシーン、場面場面でしばしば登場するクンフー(功夫)のアクション、そして大笑いしたのはトゥーランドットが3つの謎掛けをしたあと、カリフが回答をすると、彼女の臣下が「希望」「血」「トゥーランドット(漢字で)」と書かれた書き物を皇帝や市民、そして聴衆に見せるとこ。「はい、カリフさん、ずばり正解ぃー!」みたいで、観客もここは大笑い(漢字が分からない西洋人等除)。

そんなトゥーランドットでしたが、全体として照明や舞台装置のデザインも、作品とちゃんと馴染んでいて、やはり中国が舞台である演出は、中国(香港)の人がすると、無理がなくていいですね。

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