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だらだら思いつくままに香港フィルのコンサートの感想を書いています
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ハイドン: 「無人島」序曲
モーツァルト: クラリネット協奏曲
ハイドン: 交響曲第59番「火事」、第85番「王妃」
指揮: ニコラス・マクゲラン
クラリネット: アンドリュー・サイモン

イザベル・ファウストがモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第4番を演奏する予定が、家庭の事情で演奏会前日にキャンセルが決まり、演奏会当日急遽香港からドイツに戻るという事態に。同じような状況は数ヶ月前にもありましたが、前回と同じく今回も香港フィルのメンバーが代役をつとめることに。ただ今回は前回と違い、曲目変更をし、モーツァルトのクラリネット協奏曲を香港フィルの首席クラリネット奏者アンドリュー・サイモンが代役。
 
演奏会前日に代役出演が急遽決まったにも関わらず、実に見事な演奏をアンドリューが奏でてくれました。というか、こんなに素晴らしいモーツァルトのクラリネット協奏曲が聴けるとは夢にも思いませんでした。今までコンサートで聴いたクラリネット協奏曲の中ではぴかいちのベストですね。朗々とそして伸びやかに旋律を奏でるアンドリュー、世界の檜舞台でソロ・クラリネット奏者として充分活躍出来る素質を兼ね備えています。香港フィルを聴いた方は木管楽器、金管楽器、ティンパニーの力量の素晴らしさに一様に驚かれれますが、その中でクラリネット首席のアンドリューは欠かすことの出来ない存在ですので、香港フィルから決して脱退して欲しくないメンバーの一人です。

モーツァルトの前後に演奏されたハイドン。ハイドンってのは耳当たりのいい作品、そして特徴的な曲のタイトルをつける作曲家ってイメージが強くぼくには今ひとつ踏み込んで聞きたいな、って思う作曲家ではありません。今夜のコンサートもそうで、聞き終えて何かピンと来ないのが正直な感想。
 
指揮者のマクゲランはアメリカで活躍しているイギリスの指揮者。彼のサイトを見て頂ければお分かりのようにバロック音楽がレパートリーの中心。とても爽やかな演奏をする指揮者なので、今度はハイドンではなく彼のモーツァルトやバッハなどを聞いてみたいです。あっ、彼のハイドンの演奏自体は決して悪いわけじゃなく、むしろ香港フィルのよくコントロールして、とても自由な気分にさせてくれるものでした。

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ファリャ:「はかなき人生」より前奏曲とダンス
シャブリエ: エスパーニャ
ファリャ: スペインの庭園の夜
ドビュッシー:映像より「イベリア」
ラヴェル: ボレロ
指揮: ルー・ジア
ピアノ: ハヴィエル・ペリアネス

最初から最後までスペイン、スペイン、スペイン!しかし指揮者は上海生まれの中国人ルー・ジア。彼は現在スペインのテネリフェ交響楽団の音楽監督、スペインの香りをいっぱい吸いながら音楽作りをしていることで、このようなプログラムを選んだのか、と思います。

まず最初はファリャの「はかなき人生」。この曲は”洗練されたこてこてスペイン音楽”ってイメージがぼくにはありますが、この手の作品はやはりお国のオケと指揮者じゃなきゃ、厳しいとこがあるでしょうね。ルー・ジアはかなりこの曲のこてこて感を作り上げたけど、さすがにHKPOにはちょっと難しいかな。しかし旋律の綾の細やかさや、ダイナミックさ、小気味よさはなかなかのもの。次のシャブリエもHKPOはなかなかの熱演だったけど、やはりいわゆる”お国もの”という何かが、どこか欠けている。ぼくは「大抵の日本人だったら童謡”さくら”(さくらぁ~♪ さくらぁ~♪)を同じような節回しで難なくみんな歌える。一方ものすごく日本語が達者な外人でも、なかなか”さくら”を日本っぽくは歌えない。これが”お国もの”というもの」と例えます。「スペインの庭園の夜」ですが、この曲はぼくは何かちょっと不得意、というかよく判らないです、何回聴いても。ピアニストはスペイン人でしたが、なにしろ曲に対する共感がぼくには無いのか、どうも印象が薄かったです。

ドビュッシーの「イベリア」、この作品はなんてたって1980年4月27日チェリビダッケ指揮ロンドン交響楽団で聴いた印象があまりに強烈で、未だにその呪縛から解かれていません。でもルー・ジアの演奏はこのチェリの演奏を彷彿させるような素晴らしい演奏でした。とにかく音楽のコントロールが実に見事。それでいて、無意味な緊張感や演出が全くない。ファリャやシャブリエと違い、ドビュッシーはフランスから見たスペイン、冒頭から書いている”お国もの”ではないので、スペインに対する表現が幾分客観的であるためか、HKPOの演奏に違和感は感じませんでした。

最後はご存知ボレロ。HKPOのオケのレベルの高さ、そして指揮者の音楽性の高さをまざまざと見せつけるような演奏でした。HKPOで何度かボレロを演奏しましたが、今までで一番良かったんじゃないかなあ。3年前にエド指揮の素晴らしいボレロを身内受けのお遊戯ダンスでぶちこわされた演奏会ってのもありましたが。

さてルー・ジアですが、2009/2010シーズンもまたHKPOに登場します。

2010年1月23-24日
マルケスの”ダンス”、モーツァルトの序曲”魔笛”、フルート&ハープ協奏曲、ヒナステラのハープ協奏曲、コープランドの”アパラチアの春”、バーンスタインの”ウエストサイド物語”シンフォニックダンス

2010年1月29-30日
ラフマニノフの交響詩”ロスティスラフ王子”、ピアノ協奏曲第1番、”パガニーニの主題による変奏曲”、カプリッチョ・ボヘミアン

もう来年の彼のHKPO来訪が楽しみです。

なおこてこてスペインを堪能したい方はここをどうぞ。

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ドビュッシー: 牧神の午後の前奏曲 
サン・サーンス: ヴァイオリン協奏曲第3番 
ストラヴィンスキー: ペトルーシュカ 
指揮: ルー・ジア(呂嘉) 
ヴァイオリン: シュー・タン(朱丹) 

スペインのスペインのテネリフェ交響楽団マカオ・オーケストラで活躍中の上海生まれの指揮者ルー・ジアのコンサート。彼の演奏はボーンマス交響楽団を指揮したコンサートとHKPOとの定期公演と野外公演で数回聴いていますが、いずれも大変素晴らしい演奏で、ぼくが知っている男性中国人指揮者のなかではもっとも素晴らしい指揮者と思います。なぜ敢えて”男性中国人指揮者”と書いたのかは、2008/2009シーズンのフィナーレコンサートを振る予定のジャン・シアン(張弦)というとてつもなく有能な指揮者がいるからです。
 
さて1曲目のドビュッシーの「牧神の午後の前奏曲」、いやぁ~やられましたね、冒頭から。なんという表現の深さ!絶妙のバランス!この曲の何とも言えないモヤモヤ感や何かを祈るような旋律が実に見事に奏でられていました。
 
2曲目のサン・サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番、これは酷かった。ルー・ジアやHKPOが酷いのではなくて、ヴァイオリニストのダン・シューがです。何の印象も残らず、何も訴えかけることもなく、ただ弾いているって感じ。こういうソリストと共演すると、オケの演奏も段々萎えてきてしまい、結局なんだったの?って感じになる。やめときゃいいのにアンコールまで弾く始末。楽員がちょっとウンザリしている様子も・・・。
 

メインのペトルーシュカ、いやぁーこれまた素晴らしい演奏。強奏の旋律は決してうるさくならず、弱奏の旋律は決して弱々しくならず、リズム感もテンポも運び方も本当に見事。ベタ褒めしているけど、本当にこの演奏をベタ褒めしなくて、何をベタ褒めするの!?って位素晴らしい演奏でした。音楽のまとめ上げ方が非常に上手いです、この指揮者は。

HKPOとエドとの現在の契約は2012年迄で、さらに契約延長するかどうかはわからないけど、もしルー・ジアがHKPOのシェフになるなら、ぼくは大賛成です。ただその頃にはルー・ジアは現在のポストよりさらに飛躍しているかも。来週もルー・ジアとHKPOのコンサート。現在彼の本拠地のひとつとなっているスペイン、そのスペインに大きく関係した作品ばかりが取り上げられます、ワクワク。

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ストラヴィンスキー: 「プルチネルラ」組曲
モーツァルト: ホルン協奏曲第3番
ストラヴィンスキー: 管楽器のための交響曲
モーツァルト: 交響曲第39番
指揮: エド・デ・ワールト
ホルン: リン・ジアン

2008/2009のシーズンでエドが指揮するのはこのコンサートが最後。2009/2010のシーズンが始まる9月まで彼のHKPOでの演奏は当分おあずけ。ストラヴィンスキーとモーツァルトが交互に登場するというこのプログラム、一言で言えばやはりモーツァルトは偉大だな、ですかね。

1曲目のプルチネルラ組曲、ストラヴィンスキーが新古典主義時代の作品として有名ですが、ぼくには所詮古典主義の物真似としか思えない曲なんです。高校生位迄はストラヴィンスキーは好きな作曲家(と言っても3大バレエ曲くらいしか聴いてませんでしたが)だったけど、大人になってからだんだん彼の作品から遠ざかってきました。どこかしっくりこないというか、ストラヴィンスキーという20世紀を代表する作曲家に大変失礼だろうけども、なんか彼の作品は安っぽく感じるんです。というわけでプルチネルラも3曲目の管楽器のための交響曲もコメントはパス。

ホルン協奏曲第3番を演奏した1986年上海生まれの中国人ホルン奏者リン・ジアン、良いホルン奏者だったなぁ。特に高音の自然な伸びやオケとの掛け合いなど、とても20代前半の奏者とは思えない程見事な技術力、そして実に演奏に落ち着きがあって、とても充実度の高い演奏でした。中国人演奏家によくみられるような押し付けがましい超絶技巧の見せつけなど全くなし。この奏者、必ずどこかで頭角を現すと思いますよ。


最後の交響曲第39番ですが、もう全く何の心配も要らないです、エドの指揮だと。まさしくモーツァルト、こういうモーツァルトじゃなきゃだめよ、とエドから教えて貰ったような演奏でした。聴いていててなんか「ありがとね、エド」って心の中で呟いてしまい、どういうわけか聴きながらぼくはニコニコとしてしまいました。

終演後の拍手ですが、なんか観客のみんなが「エド、今シーズンも有り難う。また2009/2010のシーズンもヨロシクね」って感じでした。中にはエドに手を振っている観客もいました。この光景を見て、エドが観客から愛されているなぁ、着実に確実にエド率いるHKPOが香港の観衆と一体化しているな、と実感したコンサートでした。

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ディーリアス: 楽園への道
ベートーヴェン: 交響曲第6番「田園」
ジョンゲン: オルガンとオーケストラのための協奏交響曲
指揮: エド・デ・ワールト
オルガン: オリビエ・ラトリー

ディーリアスといえばSir John、Sir Johnといえばディーリアスって感じで、とにかくディーリアスを聴くなら絶対Sir John Barbirolli(バルビローリ)なんですが、ぼくにとっては。というわけで、エドの ディーリアスって一体どんなんだろう?あっさりとしたディーリアスを演奏するかと思ったら、情感たっぷりのディーリアスでした。ディーリアスの旋律ってやはりヨーロッパ人じゃなきゃ表現ないだろうなぁ、って聴きながら思いました。香港やニューヨーク、そして東京みたいなビルが建ち並ぶ大都会に長年住んでいる人たちには、自然の素晴らしさや雄大さや美しさが、実感として伴なわないんじゃないか、と。HKPOのメンバーの中でそういった実感を伴った人(ヨーロッパ系)もいれば、ちょっとピンとこない人(香港系)もいるだろうけどさすがはエド、上手く纏め上げていました。

2曲目の田園もそう。2楽章の情景なんかはディーリアスと相通じる部分があると思うけど、これもエドらしい丁寧な曲作りで素晴らしい演奏でした。とりわけ4楽章から5楽章にかけての何とも言えない落ち着いた音楽の運び方で実にのびやかな田園でした。

メインのジョンゲン作曲の「オルガンとオーケストラのための協奏交響曲」、作曲家も作品も知らないのですが、オルガンを演奏したラトリーが凄かった。とにかくめちゃめちゃオルガンの演奏技術力があって、全く知らない曲にも関わらず圧倒されました。テクニックが凄いオルガニストが弾くとこんな表現がオルガンは出来るのだ!ということを思い知らされました。

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ラヴェル: 「マ・メール・ロア」
モーツァルト: ピアノ協奏曲第24番
サン・サーンス: 交響曲第3番「オルガン付」
指揮: エド・デ・ワールト
ピアノ: ロナルド・ブラウティガム
オルガン: ヴィンセント・デゥボー

プログラムを見ると「エドならこんな演奏をするだろうな」って想像が出来そうなプログラム。結果はやはりそんな感じだった、というのが全体の印象。

まずラヴェルの「マ・メール・ロア」。この曲はなんてたってチェリビダッケによる演奏がとびきりの名演奏(正規盤ではないけど)で聞き慣れているので、少々の演奏では納得できないのですが、エドの演奏もなかなかのものでした。デリカシーに富んだ素敵な演奏でした。音色の絡み合いはクール過ぎず、かといってあたたかみに欠けることなく、がなり立てるわけでもなく、それでいて弱々しくなく、実に丁寧な演奏でした。ただ少し慎重になりすぎて窮屈かな、と思う部分は少しありました。

2曲目のモーツァルトのピアノ協奏曲第24番。ぼくはあまりこの曲は好きじゃないのですが、ピアノを演奏したブラウティガムの実に軽やかな音色にびっくり。さらさらぁ~楽々とモーツァルトを奏でるのです。彼の音色が実にモーツァルトにマッチしてました。このコンサートを聴くまでブラウティガムって全く知らなかったのですが、モーツァルトを中心にいろんな作品を活発に録音している実力者ピアニストだったんですね。ちょっと前に聴いたラクリンみたいな演奏家は有名だけど、あまり印象に残らず、一方ではそれほどメジャーじゃない演奏家が素敵な演奏を聴かせてくれるって、一体どうやってコンサートに行くときの判断基準とすれば良いのでしょうかね?

最後のサンサーンスのオルガン、まさしくエドの演奏って感じでした。とりわけ2楽章はテンポをぐっと落とし、じっくり聴かすエド節全開でした。終楽章は壮麗なオルガンとオケが見事に絡み合い、この作品の構成美を見事に表現していました。HKPOはこの作品を取り上げることが何故か多く、かつての音楽監督のサミュエル・ウォンやアサートン、そしてエドもそれぞれ少なくても2回以上は取り上げたのでは?ぼくも数回この作品をHKPOの演奏で聴きましたが、今回のコンサートが一番感銘深かったです。

なおコンサート会場の香港文化中心のパイプオルガンはアジア最大のオルガン(パイプ数8,000)を誇るそうです。


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ブラームス: 悲劇的序曲、交響曲第3番
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲
指揮: エド・デ・ワールト
チェロ: リチャード・バンピング

N響との初共演、そして初共演としては珍しいのは?と思われるほど数多くのプログラムを約1ヶ月間に渡り演奏を繰り広げたエドがHKPOに戻ってきました。エドがN響と共演したモルクのチェロで通称ドヴォコンが聴ける!と期待したのですが、香港に来る直前にモルクはダウン!代役はなんとHKPOの首席チェロ奏者バンピングが弾くこととなりました。モルクの卓越したレベルをバンピングに求めるのは酷かも知れませんが、バンピングにはあまりにも荷が重すぎたな、ってが正直なところ。高音の伸びのなさ、ドヴォルザーク独特の朗々とした旋律に対してなんと味気ない音色、ちょっとこれはいくらなんでも~って感じでしたね。ただ楽員達は身内のバンピングを一生懸命サポートしようと、かなり気を引き締めて演奏していたのがよく分かった。

なおバンピングについてですが、バーンスタインが札幌のPMFオケを指揮した際に首席チェロとして弾いていたのがです。

メインプロの前のブラームス2曲ですが、いつものエドの演奏に対して、作り込みの深さとか丁寧さとかそういうのがどこか不足していた。N響の振り疲れかな?

せっかく日本から聴きに来ていたマイミクさん達もちょっとがっかりしたのでは?とHKPOに成り代わりましてお詫び申し上げます。

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リムスキー・コルサコフ: 序曲「皇帝の花嫁」
プロコフィエフ: ヴァイオリン協奏曲第2番
チャイコフスキー: 交響曲第3番”ポーランド”
指揮: アーリル・レンメライト
ヴァイオリン: ジュリアン・ラクリン

指揮者のレンメライトは2007年に兵庫県芸術文化センター管弦楽団を指揮したようで、関西地区の中ではお聴きになった方もいるかも知れませんが、ぼくは名前も何も知らない指揮者。一方ヴァイオリンのラクリンは阪神淡路大震災の後、マゼールとピッツバーグ交響楽団と共に、神戸のワールド記念ホール神戸ので行われた
震災復興無料コンサートで、一回聴いただけ。ワールド記念ホールはクラシックコンサートを行うようなホールではなく、ポップスやボクシングなどを開催するホールというよりアリーナみたいなところです。特別な印象は何も残っておらず、ただ余興(?)でマゼールがヴァイオリンを弾いたことくらいしか覚えていません。

今回のコンサート、その震災復興無料コンサートとは何も関係はないですが、何の印象も残らないものでした。ラクリンの音色に特別な印象は無し、指揮者のレンメライトについても、特段コメントが出来るような演奏ではありませんでした。3曲ともぼくにとっては馴染みのない曲であったのも理由のひとつかもしれませんが・・・。たまにはこういうコンサートもありますよね・・・。

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ベルリオーズ: 序曲「海賊」
プーランク: 2台のピアノのための協奏曲
ドビュッシー: 白と黒
フランク: 交響曲
指揮: デイヴィッド・アサートン
ピアノ: ラベック姉妹

 
ご覧の通りオールフランス物。アサートンの演奏は一言で言えば「やかましい」。よく言えば「鳴りっぷりが良い」。

ベルリオーズの序曲からとにかく鳴らしまくっていました。HKPOのメンバーによると、アサートンは楽員には大受けだそうです。これって観客にとってはいいことなのかどうかわかりませんが、まぁにぎやかなベルリオーズでした。

ラベック姉妹ですが、名前だけは勿論随分前から知っているけど、ナマで聴くのは、そしてLPやCD、放送を含めて、ぼくは初めて聞いたのかも知れません。印象としてはプーランクもドビュッシーも作品の楽しさは味わえたものの、ラベック姉妹がどういうピアニストであるかは、最後まで判らずじまい。別にどっかのピアニストが2人で演奏したっていいんじゃないの?って思ってしまった。やすきよ(横山やすし・西川きよし)やいとしこいし(夢路いとし・喜味こいし)の漫才コンビみたいに(ちょっと古い?)、この2人じゃないと持ち味が発揮出来ない、という何かがなかったなぁ。

メインプロのフランクの交響曲、バーンスタインやチェリビダッケ、フルトヴェングラーの指揮による重厚、沈鬱、壮麗な印象はアサートンの指揮では全くなし。とにかく冒頭にも書いたけど鳴ります鳴ります。終楽章なんかはもう元気溌剌オロナミンCでした。フランクの作品の違った一面を垣間見るようで、これはこれで良かったかな、でもちょっと耳が痛かったです。

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ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第3番、交響曲第2番
指揮: エド・デ・ワールト
ピアノ: ジョイス・ヤン


1996年12月に香港に来る前に最後に日本で聞いた海外オケはシドニー交響楽団(SSO)、指揮はエド・デ・ワールト、(尼崎のアルカイックホールにて)。演奏されたメインプロはラフマニノフの交響曲第2番。SSOの演奏はとにかく素晴らしくて、悠々と音楽の流れに身をまかせて堪能した、というのが当時の印象でした。東京公演の様子をNHKが放映したので、ご覧になった方も多いかと思います。

香港に住みだしてから数年後、休暇のためにシドニーを訪れた際、ちょうどエドがベートーヴェンチクルスをSSOとあの有名なシドニーオペラハウスでやっていたのですが、チケットは全てsold out、久々のエドの演奏はシドニーでは聴けずじまいでした。オペラハウスのshopに立ち寄ると、NHKが放送したラフマニノフの演奏を収録したCDが販売されていました。

それから10年以上経過して、ラフマニノフのこの曲を、ぼくが住む香港のオーケストラの音楽監督としてエドが演奏するなど、全く夢にも思いませんでした。そんな思い出深いエドのラフマニノフを聴いてきました。香港フィルは通常同じプロを2回演奏しますが、何しろ個人的に強烈に思い出深いラフマニノフの演奏が聴けるため、2回共聴きに行きました。

シンフォニーの前に演奏されたピアノ協奏曲第3番、ピアノは韓国の女流ピアニストジョイス・ヤン。第3番は(必要以上に)ダイナミックに演奏するピアニストやオケが多いように常々思っているのですが、このコンサートでは非常に丁寧に、実に叙情的に演奏されていました。勿論ピアニストのテクニックは見事なものでしたが、テクニックが前面にでるような、”ひけらかし”ぽい表現は全くなし。素敵なピアニストでした。

交響曲はSSOで聴いた時と同じく、ただただ聞き惚れてしまう、そんな印象でした。無理な部分や押しつけがましい旋律は微塵も無し。3楽章のクラリネットソロは今まで聴いたラフマニノフの中でダントツの素晴らしさ。音楽の息遣いと旋律が見事なほどマッチしていました。

エドはこのプロを2009/2010シーズンより音楽監督として就任するミルウォーキー交響楽団で早速取り上げます。ピアニストはこのコンサートで共演したジョイス・ヤン。
 

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