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だらだら思いつくままに香港フィルのコンサートの感想を書いています
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半導体商人
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1996年より香港在住です
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香港フィルの2005/2006のシーズンまではちゃんと聴いたあと、
ここに書いていたんだけど、2006/2007のシーズンはすっかりさぼりまくり。
まぁ印象深い演奏会が目白押しだったんで、いつでも書けるわなって思ってたら、
年を越しちゃった、すんません。

でも今日(02/16)聴いた演奏会はちょっとここに書かせて貰います。
指 揮: エド・デ・ワールト
二 胡; 陳軍
ピアノ: 孫穎迪

曲はあえて中国語で(そっちの方がニュアンスが伝わりやすいでしょうから)
1 《節日序曲》
2 《懷舊》
3 民歌主題組曲:《鬧元宵》、《茉莉花》、《藍花花》
4 《戰馬奔騰》
5 《良宵》
6 《北京喜訊到邊寨》
7 《紅色娘子軍》交響組曲選段:《序曲》、《快樂的女戰士》、《五寸刀舞》
8 《河》鋼琴協奏曲
9 郭文景 - 《禦風萬里》

1は英語ではFESTIVAL OVERTUREって付けられているように
ショスタコの祝典序曲そっくり。旋律はさすがに中国風だけど、ここでブラス、
ここで弦楽器、ここで打楽器、そしてフィナーレは金管が高らかに鳴るってのが
すべてショスタコの祝典序曲の展開と同じ。中国ではクラシック作品の作曲までコピーかよ!

2は1929年に共産化される前の上海を描いた作品。共産化された中国では
550年あまりも演奏を許されず、80年代になって漸く再び演奏されたそうです。
作品自体はR.シュトラウスの「メタモルフォーゼン」の出来損ない、って感じのもの。

3はにぎやかな典型的なコテコテ中国!って作品。あぁこりゃこりゃ♪風です。

4は二胡の超絶技巧を楽しむ作品。しかしそれがどうかしたの?って感じ。

5は4とはうって変わって二胡の音をしみじみぃって楽しむ作品。これは気に入ったなぁ。

で前半終了。なんか雲呑麺が食べたくなりました。

さて後半。
6の意味は「北京からいい知らせ」。なんか恋物語かサクセスストーリーか
何かと思ったら、「四人組が失脚したぞ!」がいい知らせだって。
まぁ文革でエラい事に中国全土がなっていたので、そうかも知れないけど、
何でもかんでも「四人組」のせいにしていたもんね。
当時(30年程前)、ぼくは北京放送の短波放送(日本語)を聴いていたんだけど
(BCLって知っている?海外短波放送を聴くのがはやっていたんよ)、
あれもこれも四人組のせいだ!って北京放送でヒステリックに何度も何度も言っていた。
中学生だったぼくは、「へえそんなに四人組って悪い奴らだったんだ」って信じ込んでいた。

7はその「四人組」の一人江青(ご存知毛澤東の奥さん)が大きく関係した
革命バレエ「紅色娘子軍」交響組曲。文革時代はこの革命バレエ「紅色娘子軍」、
舞台芸音楽「白毛女」、そして次の「黄河」しか管弦楽を演奏する事が許されていなかった。
 
「北京からいい知らせ」を演奏したあとで、四人組の張本人である江青が
関係する作品を取り上げるのは、何とも心憎い。「本当に四人組ばっかりが悪いの?
じゃこの作品の存在意義は?」ってなんかプログラミングを通じて、
聞き手に問いかけているような感じ。

8はご存知「黄河」ピアノ協奏曲。ぼくはこの作品を”世紀の駄作”と呼んでいる。
がちゃがちゃピアノとオケが鳴っているだけ、おまけに3楽章では
中国国歌義勇軍行進曲の冒頭は出てくるわ4楽章では毛澤東を讃える「東方虹」、
極めつけは共産主義のテーマ曲とも言われる”インターナショナル”まで登場。

 

思わず4楽章ではぼくは耳を塞いでしまった。ぼくより昔の世代の人は
このインターナショナルを50-60年代に学生・労働者として歌っていたと思う。
共産主義という国家が作り上げた架空の世界にどれだけの人が傷つき命を
落としたかと思うと、香港フィルの熱演にもさすがに拍手はできなかった。
拍手をすることは共産主義を認める事になる、とボクは思ったんで。

で、最後の9。これだけ作曲家名を書いたのは、エドデワールト&香港フィルの
お披露目公演の際にこの作曲家の作品を取り上げたからです。
今日の作品は香港の中国返還に際して作曲されたもの。
返還自体はぼくはちっとも嬉しくないのですが、作品自体は
とても夢に満ちあふれた感じで、香港の前向きさ、良くも悪くも
クヨクヨしないところが現れていました。
そしてこの曲だけが全く中国政府の関与を受けていない作品。

一晩でなんか共産主義国家中華人民共和国の姿を垣間見たような気がします。
そして教条主義に共産主義が走ると、こうも硬直した文化しか生まれてこないのかと。
芸術はやはり絶対的に自由な環境に有るべきです!

=mixiに香港フィルのコミュを立ち上げています。是非ご参加ください!=

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チャイコフスキー; ピアノ協奏曲、交響曲6番
指揮; ジャンルイジ・ジェルメッティ
ピアノ; シモン・トレプチェスキー

香港の夏は5月頃から始まって10月位まで続く。ここでいう夏というのは、
日本に住んでいる方が感じるいわゆる”夏”。
日本より暑いところに住んでいる方は「へっ、この程度では
暑いって言わないの!」って反発するだろうし、涼しいとことか
寒い地域に住んでいる人なら「うぎゃぁ~暑い!」って叫ぶでしょう。
ちなみに7月の香港の夏、朝晩通して30℃前後、そして何よりも
強烈なのが湿度。だいたい80~95%位、時には湿度99%ってのも。
もう殆どぬるま湯の中!時々70%なんて日はぼくとしては
「カラッとしてんじゃん!」って感じてしまう、それほど暑いんです。

2005/2006のフィナーレを飾るこのコンサート、暑かった!
この日のコンサートの日の気温は34℃、湿度は94%、暑いでしょ。
でもこんなことはこの時期の香港では当たり前。
問題はコンサートホールのエアコンが故障していた!んです。
ロビーには巨大な扇風機がガンガン回っていたけど、
この暑さだから、殆どダメ。まさしく「焼け石に水」状態。

故障が発生したのは昼過ぎ、ホールに着いた晩の7時半の時点でも
まだ復旧作業を行っていました。このあまりの暑さの状況で、
一時はコンサート中止も検討されたそうですが、復旧のメドがたってきたこと、
グランドフィナーレってことで、15 分ほど遅れてコンサート開始。
ホールに入ってみると、うわぁ~暑いよ!んで、
舞台にもでっかい扇風機がブゥ~ンブゥ~ン



演奏に先立ち、事務方のトップMr. Timが「クールな香港フィルが
hotな演奏をさせて頂きます!」と。
楽員は上着を脱ぎ、譜面台には、扇風機の風で楽譜が飛ばないように、
洗濯バサミが用意されていました、なんかス・テ・キ♪

ピアノコンチェルトですが、このブゥ~ン扇風機の雑音で、
細かい音までは聞くことが出来ず、蝋管吹込の復刻盤をホールで
きいているみたい。これはちょっと観衆はもとより、ピアニストもメンバーも
気の毒な状況でしたね、残念。
復刻盤並のサウンドから聞こえてくるピアノを想像するに、
なかなかデリカシーの富んだサウンドを奏でるピアニストと感じました。

コンチェルトを終えたあと、次第にエアコンが効きだし、
若干涼しくなってきたんで、ブゥ~ン扇風機はお役ご免、さようなら~。

後半は悲愴。2005/2006のフィナーレに悲愴なんて何で選ぶの!?って
思っていたけど、曲のタイトルより作品の深淵さ、高いレベルで音楽を
要求する指揮者ジェルメッティ、指揮者の要求に応えるオケ、
その感動を受け入れる観客、それぞれがグランドフィナーレに
ふさわしい形でコンサートを形成していたし、聴き終えてみると、
なるほどこの作品をフィナーレに選んだことが納得できる。

ジェルメッティは先週のマリン同様に以前からナマで聴きたくて
しょうがない指揮者でした。シュトットガルトRSOのシェフになりたての頃、
来日公演があったのですが、それを聞き逃したこと、そしてぼくが
聞き逃したコンサートを聴いた知り合い全てが、「凄い指揮者だよ!」って
さんざん聞かされていたので。
ジェルメッティとトレプチェスキー、次回は万全の状態(本人の責任じゃ
ないんですけどね、このハプニングは)で聴きたいです。で、

長いようで短かった2005/2006シーズンは終わり。
2006/2007シーズンも好き勝手に書きなぐりますヨ!

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チャイコフスキー; フランチェスカ・ダ・リミニ、
                                 ロココの主題による変奏曲、
                                交響曲4番

指揮; イオン・マリン
チェロ; ワン・ジアン

イオン・マリンの演奏聴きたかったんですよぉーずっと。
香港フィルには2年前に井上圭子との共演でサンサーンスの
オルガン(SYM.3)を指揮したのですが、聞き逃してしまって・・・。
欧米では超一流のオケやオペラハウスを振っているけど、
日本ではショボいオケ(名前は伏せます)しか振っていないせいか、
それとも伴奏指揮のCDが多いためか、、日本ではまだまだ評価されていないのかも?
こういった逸材を日本の聴衆や音楽事務所はなんで見つけきれないんだろうね。
今でこそ大ブレークしているスクロヴァチェフスキー、25年以上前から、
ぼくは彼の才能に注目したんだけど、当時は誰も知らず。
ミネソタSOであれだけ多く録音をしていたのだから、
発掘する媒体はいくらでもあったはず。
ネームバリューだけでチケット代がやたらコンサートが多すぎますよ、日本は!



すみません脱線しちゃった!演奏会をまず聴くじゃなくて見た感想、
どこか田舎のムーティみたいな風貌、そして指揮がめちゃめちゃ上手い。
指揮棒を持つ右手だけでなく、左手と胴体の動かせ方が巧みで、
その指揮や立ち振る舞いが同郷の偉大な巨匠を思い起こさせる。
だれって?セルジウ・チェリビダッケ。音楽の作り方もどこか
似ているし(テンポは随分違うけど)、終演後なんと両手を顔の前で
合わせてお辞儀するとこなんか、まさしくチェリ!旋律の掛け合いの見事な処理、
聞かせどころではグン!とリズムを落とすところなど、
なかなか特徴的な演奏をきかせてくれます。果たしてどんなリハを
やったのかなぁーってすごく気になりました。

指揮者マリンの話ばっかりになったけど、ロココを演奏したワン・ジアン、
風采からしていかにも、って感じのとても丁寧なしみじみとした演奏。
彼のバッハの無伴奏全曲(DG)、おぉー!って印象は微塵もないけど、
安心してそして落ち着いて、また何度でも聴きたくなるような、
そんな音楽を奏でてくれる。アンコールで無伴奏やってくれたのは嬉しかったなぁ。

そんなわけで待望のマリン指揮の演奏は聴けたし、すてきなジアンの
チェロの音色は聴けたし、ごちそうさまでした。



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チャイコフスキー; エウゲニ・オネーギンよりポロネーズ、ヴァイオリン協奏曲、交響曲5番
指揮; エド・デ・ワールト
ヴァイオリン; リー・チュアンユン

今日から3回にわたってチャイコの後期3交響曲をメインにしたプロが続く。
残り2回のコンサートはイオン・マリンが4番を、ジェルメッティが6番を振るんで、
今夜はエドが振る2005/2006シーズン最後のコンサート。
2006/2007シーズンが始まる9月迄エドのコンサートはひとまず休憩。

まずはポロネーズ、さらぁ~っと流すかと思ったら、この曲のズンドコン節を
はっきり聞かせようと、かなり強弱をつけて聞かせてくれた。
華々しく金管がなった後の例のフレーズ、
「んーん~、じゃんじゃかじゃぁ~ん!じゃんじゃかじゃぁ~ん」ってとこ、
華奢な令嬢が流麗に舞うようなフレーズより、街頭でピロシキを
揚げているどっぷり太ったロシアのおばちゃんかエリツィン前大統領が
フンフン!って鼻息混じりに踊っているような旋律の方が
、ぼくは好き(なんちゅう表現や!)。
エドがデブ専とは思えないけど(X回目の奥様はムローヴァ似の綺麗な方だし・・・)ね。

お次のVnコンチェルト、これはぶったまげましたわ。ものすごい超越技巧の
リー・チュアンユン。少々の音の濁りなどお構いなしで、まさしく全身全霊を
かけて演奏する。こんなに演奏に打ち込む姿を、クラシックをナマで
聞き出してから見たこと無いです。彼はチェン・カイコー監督の
感動作「北京ヴァイオリン」にちょこっと出演しているから



(演奏会を終えて、控え室で師匠に叱られる役、とほほ)、
彼の姿を見たことがあるかもしれませんが、ぼくには彼が
どうもジミー大西にみえて仕方がない。

 

ジミーちゃん、風采はあんなんだけど、
画家としてはすばらしい才能を持ち合わしているんで、もしかしたら、
こういう顔つきは天才の片鱗を表しているのか?と思ってしまいました。
日本にも何度かリー・チュアンユンは来ているようですので、
ジミーちゃん似の顔をみたら、絶対行ってみて下さい。
行ってみてそこが画廊だったら、それはジミーちゃん本人かもしれません、あしからず。

そして最後はシンフォニー5番。この曲、チャイコのシンフォニーでイチバン好きです。
お気に入りはなんたってチェリビダッケの演奏。まぁここはチェリの演奏、
神棚に奉っておきましょうね。エドの演奏会ですが、やっぱり2楽章が
白眉だったなぁ。朗々と流れるホルン、打ち寄せる波のような情感、
これですよ、チャイコフスキーは!そして4楽章。
いつものエドと違い、メンバーというか演奏を煽る煽る!
こんな煽り方をエドってまずしないのに、どうして?と思ってしまいました。
何か2004/2005シーズンのレベル向上の結果を見せつけるかのような演奏でした。
ブラボーも凄かった、確かにブラボーだったよ!
チェリの演奏、神棚からおろしても良いような気がした、そんな演奏会でした。
多謝エド!2006/2007もヨロシクです!

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モーツァルト; 交響曲39,40,41番
指揮; エド・デ・ワールト

香港フィルの演奏会、前半はそれほど大きくない曲とコンチェルト、
後半がメインってプログラムがたいていのパターンなんですが、
今夜の演奏会はモーツァルトの後期3作品を一気に演奏するというもの。
あまりにもすばらしい曲が立て続けに演奏されると、どうしたら
いいんでしょ~困ってしまうね、ってのが、正直な感想。
前半にまずは39番と40番。これだけで、モーツァルトの偉大さ、
作品の素晴らしさを堪能したのに、休憩後には41番のジュピターでさらに追い打ちを。

マーラーの2番と5番と9番を一晩に聴いたらどうなるんだろう、ってちょっと想像してみた。
モーツァルトのそれぞれの作品の方が演奏時間自体は短いけど、
作品に込められた音楽の深さがとてつもないので、おそらくマーラー3曲を
一晩で聴くより、今夜のプログラムの方がきついですよ。

39-41番聴いてみて、やはりモーツァルトは本当に偉大な
作曲家なんだな、とつくづく感じました。
どっぷりとモーツァルトの音楽を堪能させてくれたエドと香港フィル、
実にノーブルで大人の演奏を聴かせてくれました。

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チャイコフスキー; 白鳥の湖-組曲
エドワーズ; オーボエ協奏曲
バーンスタイン; ウエストサイド物語-シンフォニックダンス
ラヴェル; ボレロ
指揮; エド・デ・ワールト
オーボエ; ダイアナ・ドーティー(Diana Doherty)
ダンス; 香港アカデミーパフォーミングアーツ

本当は良い演奏会になっただろうに、と悔やまれること満載の演奏会でした。
まずは白鳥の湖、いつになく、だれきったテンポ。エドにしてはなんとも
消化不良なテンポ設定と迫力のなさ。ウエストサイドストーリーは
ドラムを叩いた香港フィルの打楽器奏者のパンチも切れもないドラムさばき。
jazzyさが全くなくて、どうもつまんない。ミネソタSOと録ったエドの
ウエストサイドストーリー、とてもよかったんですがね、どうしたんだろうエド???

極めつけはボレロ。パイプオルガンを囲んでダンサーがボレロの演奏に
あわせて踊るんだけど、実に幼稚でバカバカしい演出。
幼稚園のお遊戯の方が、かわいげがあって、よっぽどまし。
はっきりいって目障り。これまでの演奏とは違って、ボレロはなかなか
キレのある演奏をエドが聴かせてくれたのに、お遊戯以下のダンスで
雰囲気ぶち壊し!でも終わったら、ダンサーの身内の連中が
やいのやいのの大受け!内輪受けするんだったら、
非公開か無料にしてくれよ。
この調子じゃ、まだまだ香港人だけの手による芸術の進歩は難しいな、っと実感。

まぁ散々な演奏会でしたけど、唯一すばらしかったのが、
ドーティーが演奏したオーボエコンチェルト。自身が鳥か妖精のような衣装をまとい、
パートごとにステージに座している小編成のオケの合間を時には小走りし、
時には身を隠すように、まさしく舞いながらオーボエを奏でる。
CDでているけど、これは見なくちゃ内容の良さがわからない作品。



やっぱりコンサートは行かなくちゃわからないよ!ってのが、この日しみじみ実感しました。

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モーツァルト; 交響曲1番、ピアノ協奏曲27番、ロンド(K.511)
ハイドン; 交響曲98番
指揮&ヴァイオリン; ジョン・ハーディング
ピアノ; デビッド・トン

今回指揮とヴァイオリンをつとめるハーディング、彼は
来シーズン(2006/2007)から、香港フィルのコンサートマスターに
就任することが決まっています。エドがかつてのシェフだったシドニーSOで、
ハーディングはコンサートマスターを務めていましたから、
その意味ではエドの音楽をよく知ったコンマスが香港フィルを
共に率いるということになりますね。
指揮も出来るコンマスなので、副指揮者がいない香港フィルにとっては、
その点からも心強いです。

 

コンチェルトとロンドを弾いた澳門(マカオ)生まれのトン。
全く印象も残らず。何しにきたの?って感じでノーコメントです。
指揮者ハーディングですが、正直凄い指揮者!ってわけではありません。
別に悪いって意味じゃなくて、そつなくまとめる、ってそんな感じ。
マーラー4番を豪ABCからCD出しているのですが、どうなんでしょう。
演奏それ自体よりおもしろかったのが、ハイドンの98番。
2楽章にはGod Save the Queenは出てくるわ、終楽章には
チェンバロがチョロチョロと奏でられるわ(少年モーツァルトが
ハイドンの作品に降臨したかのようにイメージしたのですが・・・)、
ハイドンのアイデアの豊富さには、驚かされます。
やはりハイドンのシンフォニー全曲(104番&α)を聴くべきでしょうか?

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シューベルト; 交響曲8番”未完成”
コルンゴールド; ヴァイオリン協奏曲
ベートーヴェン; 交響曲3番”英雄”
指揮; エド・デ・ワールト
ヴァイオリン; ニコライ・ズナイダー

いかにも渋いプログラムって感じですが、演奏も渋かったです。
オーソドックスって表現はあまり好きじゃないけど、オーソドックスってのは
こういうのを言うのかな、というオーソドックスさ。
それにしてもシューベルトってくどいよね。同じ旋律がまた出てきて、
また出てきて、また出てくる。
ダイジェスト版にしたら、未完成なんか10分足らずで終わるんじゃ!?と思う。9
番(7番ともいう)なんか、いい加減しつこいぞ!と言いたくなる。
2番とか5番はシューベルトでもいい作品だとは思うけどね。

コルンゴールドを弾いたズナイダー、いいですね。ヴァイオリニストの場合、
どういう姿勢で演奏するのか、ってのがボク的にはポイントの一つなんですけど、
彼の場合はその立ち姿がスラーッとしてて、それだけでも心地良い。
この曲って、ハイフェッツのライブ盤くらいしか持っていないのですが、
後々映画音楽作曲家みたいな位置づけになったコルンゴールドだけあって、
印象深い旋律が目白押し。もっと演奏会で取り上げても良い曲だよなって思いました。



メインは英雄。意図的な誇張は何もなく、しっかりと旋律を歌い込んでいくそんな演奏でした。
とりわけ2楽章は白眉でしたね。ぐっとテンポを落とし、それぞれのパートのフレーズを
実に丁寧に描いていた。
とりわけチェロやコントラバスの旋律、ズズズゥーン!とおなかに響く音色は感動もの。

所でファーストヴァイオリンのメンバーの最後尾に、メンバーじゃない人が
めがねをして演奏してる!なんとズナイダーがさりげなく舞台にあがって、
4楽章の最後の最後まで演奏していました。

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今週火曜、2006/2007シーズンプログラム発表のためのpress conferenceに行ってきました、凄い!



詳細は2006/2007シーズンをごらんいただければと思いますがハイライトをちょっと紹介。
発表されたコンサートは51回。2005/2006シーズンは47回なのでちょっと多い目。
その内エドが振るのは21回、去年は16回だったのでかなり彼の出番が多い、楽しみ♪
新シーズンは例年通りコンサートオペラで開幕。一昨年はサロメ、
去年はエレクトラだったので、今年もR・シュトラウスか?と思ったら、
蝶々夫人(9/16&18)でした。数年前にエドがオランダで振った蝶々夫人のDVDが
出ているから、今度買ってみようかな~。
2年前のエドへのインタビューで語っていたとおり、今年もちゃんとマーラーがあります。
今回は3番(11/17&18)、そして香港・パフォーミングアーツ・アカデミー(芸術学校)との
共演で5番(1/21)が再演。

ゲスト指揮者ではデュトワ(6/29&30)、ヴァンスカ(12/8&9)、そして現在ニューヨークフィルの
アシスタント指揮者をつとめる女流張弦 Zhang Xian。エドも前音楽監督だった
サミュエル・ウォンもそういえばNYPのアシスタント指揮者を勤めていたよね。

ソロイスト、これが凄い。レーピンがベートヴェンのVN協奏曲を(10/6&7)、
フレミングがR・シュトラウスを歌い(3/30&31)、ハーンがブラームスのVN協奏曲を(6/8&9)、
ベルがチャイコフスキーのVN協奏曲を(7/6&7)!

新シーズンはとても楽しみで魅力的です♪

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モーツァルト; 交響曲35番”ハフナー”、ピアノ協奏曲25番
ベートーヴェン; 交響曲5番
指揮; ヤープ・ヴァン・ズウェーデン
ピアノ; イゴール・ロマ

先週に引き続いてまたズウェーデン指揮の香港フィルを聴く。
先週のプロとは違い、ある意味とてもオーソドックスなプログラム。
しかし結果は・・・、こんなベートーヴェン聴いたことないぞ!とまたまた度肝を抜かれました。
弦にはあまりビブラートをかけささず、かといってピリオド奏法ってこともないんだけど、
ノンビブラートだと、一音一音がナマナマしいし、アンサンブルが良いか悪いか、
すぐわかっちゃいますね。そして旋律の流れや、フレーズの繋がりがノンビブラートだと、
ストレートに伝わってくる。こんな演奏方法に加えて、ズウェーデンが
音楽の長短・強弱にこれでもか、っていうほどメリハリをつけてくるから、
今迄何度聴いたかわからないベートーヴェンの5番、ズウェーデンの演奏で
何か新しく生まれ変わったというか、違う曲をきいているような錯覚に陥った。

この演奏会、彼は自分が首席指揮者・芸術監督を務める
オランダ放送フィル(前任者はエド・デ・ワールト)からコンサートマスターを招聘した。
実は先週のコンサートではテンシュテット時代のロンドンフィルのコンマスだった
デビッド・ノーランがゲストコンサートマスターでした。
なんでこういうことが出来るかと言うと、信じられないと思いますが、
香港フィルの2005/2006のシーズン、オケにはコンマスがいません。
昨シーズン突如韓国人コンマスが退団した後(契約中にも関わらず
別のオケと契約をしたため)、適切なコンマスが見いだせなかったので、
今シーズンは全てコンマスをどこかから招聘して運営するという、
ちょっと考えられない事態となっています。

香港フィルの演奏会、ビッグな共演者(ヨーヨーマとか)とのコンサート以外、
決して満員というか当日券無し、ってことは起こらないのですが、
今回のコンサート、そんな特別なことは何もないのに、満員で当日券の
販売がありませんでした。それほど有名でない指揮者とピアノソリストなのに、
こういうことになったかと言うと、やはり先週のショスタコヴィッチが
強烈だったので、人づてにチケットを買い求める人が多くいたのでしょう。

2週連続してズウェーデンの指揮を楽しみましたが、本当に凄い指揮者が
登場したものですね。何かクライバーとアーノンクールが合体したような指揮者です。
これからズウェーデンから目が(耳が)離せません!

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