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だらだら思いつくままに香港フィルのコンサートの感想を書いています
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1996年より香港在住です
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今年弱冠27歳のチェコ生まれの指揮者ヤクブ・フルサ、
ピアノは1986年チャイコフスキーコンクール優勝者で有名な
バリー・ダグラスによるコンサートを聴きました。



曲目は次の通り。
グリンカ; 「ルスランとリュドミラ」序曲
ラフマニノフ; ピアノ協奏曲第3番
ムソルグスキー(ラヴェル編); 展覧会の絵
チャイコフスキー; 「1812年」序曲

このプロを見ただけで、もうゲップが出そうでしょ(食事中の方、失礼!)
聴いた後の感想もやっぱり、”もう腹いっぱいですがな”、でした。

フルサってのは名前も何も全然知らない指揮者だったけど、
まあ年相応に、そして画像の印象のように、真面目ーって感じ。
もう少し若いんだから、バリバリやってよ!って部分もあったけど、
今後の活躍に期待しましょう、ってとこでした。

プロにあげられた展覧会の絵、ぼくがもっとも好きな作品の一つなのですが、
過去の刷り込みがかなり強烈。
・1980年に聴いたチェリビダッケ&ロンドンSO
http://battenhongkong.hp.infoseek.co.jp/concert/19800427.html

・1986年に聴いたチェリビダッケ&ミュンヘンフィル
http://battenhongkong.hp.infoseek.co.jp/concert/19861017.html
このコンサートの後に起こったこんな出会い
http://battenhongkong.blog.shinobi.jp/Entry/58/

・そして1990年に聴いたショルティ&シカゴSO
http://battenhongkong.hp.infoseek.co.jp/concert/19900417.html

これらの演奏会を持ち出すのは少々反則ですかね・・・。
しかし香港フィルの展覧会の絵、なかなか立派でした。
フォルムもしっかりしていたし、全体の音色もよくバランスとれていました。

前々音楽監督のアサートンもこの展覧会の絵を(しつこい位に)演奏を
していましたが、いつもボケボケな音楽。
それに比べ、このコンサートは本当に急速に香港フィル音楽性の成長性を
実感することが出来ました。

それにしても展覧会の絵の後に1812年を演奏するのはちょっと 余計だったような
気がします。演奏自体はとてもよかったので、心地よい満腹感ではありましたが。

=mixiに香港フィルのコミュを立ち上げています。是非ご参加ください!=

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モーツァルト: ”コシファントッテ”序曲、ヴァイオリン協奏曲第5番
R.シュトラウス: 英雄の生涯
指揮: ローレンス・レネス
ヴァイオリン: 諏訪内晶子



”コシ”は少々軽めの流れだけど、なんとも弦の響きが美しい。
HKPOといえば、「ちょっと弦がねぇー」てのが、ぼくの印象だけど、
この日のストリング勢はいいぞ 。

そんなワクワク感を残して、次は諏訪内晶子の演奏。
5番の演奏する日本人ヴァイオリニストは1985年に広島で聴いた
”広島平和コンサート”以来。 その時のヴァイオリニストは14歳の五嶋みどり。
(当時の事はをここ見て下さい )
彼女の演奏を聴きながらなんとなくレコーディングで聴いたハイフェッツの事を
思い出しました。 そもそもハイフェッツってあんまり好きなヴァイオリニストじゃ
ないのになんでかな?って 思いながら、コンサートプログラムを見たらびっくり。
諏訪内のヴァイオリンはかつてハイフェッツが使っていた1714年製の
ストラリバリウスだって! 楽器の音色の個性がここまではっきり出てくるんですねー。
諏訪内の演奏ですがとにかく安全運転、シートベルトをしっかりつけて時速60km。
リズムやフレーズの切り込みもなく、とにかく淡々というか平べったぁーい。
アンコールで弾いたバッハ、何の印象も残らず・・・。

さてメインの”英雄の生涯”、これは出色の出来でした。
この曲といえば何と言ってもカラヤンの演奏が有名だけど、
レネスの演奏はカラヤンとはまさしく 対局とも言えるもの。
カラヤンの演奏はとにかく絢爛豪華、”カラヤンの生涯”とも呼ばれるほど、
何か勝ち誇ったというか、自己顕示欲丸出し、って演奏だけど、
レネスの演奏は、悩める英雄って感じ。
この作品にはシュトラウスの曲がちりばめられていることから、
30代半ばのシュトラウスがすでに 英雄気取りで作曲したように
とらえてられているけど(そういう風に演奏したのがカラヤン)、
レネスの演奏は若くして超一流の作曲家となったシュトラウスが
これからどのように作曲を 続けていけるだろうか、果たしてこれからも
作品を創りあげることが出来るだろうか、と悩み抜いた末に
この作品を作ったような印象を受けました。
シュトラウスが愛したモーツァルトは35歳で亡くなりましたが、
英雄の生涯が作曲されたのは シュトラウスが34歳の時。
英雄の生涯の後、彼は一曲も交響詩を作曲していませんので、
彼はこれから作曲を続けていく事の節目としてこの作品を
作曲したようにぼくは思えます。

全体の印象はそんな感じでしたけど、決して弱々しいとかそういうものではなく、
一つ一つのフレーズを 実に丹念に、そして旋律の掛け合いのバランスや
ピークや緊張感のもって行き方が実に見事で、 作り込みがとても丁寧で
素晴らしい演奏でした。

1970年生まれのレネスにとって、シュトラウスがこの作品を作曲した年齢と
ほぼ同じということもあり、 どこか共感する部分があったのかもしれません。
ヨーロッパを中心に大活躍をしているレネス、 これからも今までのように
指揮をする機会があるだろうか?とどこか悩みながらも、とにかく指揮を
続けていくしかない(人生ってそういうものですが)、そういった心が
シュトラウスにそしてこの作品に 大きな共感をレネスが覚え、
素晴らしい演奏を生んだのでは、と感じました。
そんな彼の想いをHKPOは実に見事に応えて演奏していたと思います。

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01/04(昨日)、ユンディ・リの記者会見に参加しました。



昨年末のDameキリの記者会見には参加者が僅か10人程度だったけど、
ユンディの記者会見はおおよそ100人位集まっていました。
テレビカメラも何台もでており、やはり注目度だけはユンディはあるようです。
でも残念だったのは、音楽的な知識が全くないような質問ばかり。
「毎日どれくらい練習するのですか?」なんてのもあった。

ぼくは彼にはこう質問しました。
「全てが欧米のメンバーと指揮者、欧米メンバーとアジア系指揮者、
全てアジアのメンバーと指揮者、そしてHKPOのようにアジア系と
欧米系の メンバーがかなり混在し、指揮者はオランダ人(エドのことね)など、
コンチェルトで共演するパートナーのスタイルは実に様々ですが、
それぞれの場合にあなたは自分の音楽をどう保っていますか」

彼はこう答えました。
「自分はまだ若く、そして中国人。西洋音楽の背景となっている文化など、
まだまだ知らないことが多いので、様々なパートナーとはよく練り合い、
話し合って音楽を作って行きます。
まさしくチャレンジといっていいのではないでしょうか」

つまりまだまだユンディは自分の音楽を確立したわけでなく、
音楽作りを 模索している、ということが言いたかったのでは、と思いました。

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今日(12/23)、Dameキリ・テ・カナワ&HKPOのコンサートに行きました。
実はコンサートに先立ち、12/19には彼女の記者会見にも行きましたが、
報道関係者は僅か10人足らず おかげで本当に間近で彼女をみましたが、
オーラが違うね、やっぱりDame!
でも意外にきさくな雰囲気がやはりKIWI(NZ出身)のせいかも。



コンサートはまぁさすがというかもう貫禄の歌オンパレードでしたね。
たまたま今朝テレビ朝日の「題名のない音楽会」を見ていたら、
スミ・ジョー(SUMI JO)が”私のお父さん”を歌っていたんだけど、
今晩Dameキリがアンコールで歌った”私のお父さん”とは
全く違う曲に 聞こえましたわ。

2007年のボクの香港フィルを聞くコンサートは01/03のホセ・カレーラスで
始まり、今晩のDameキリでおしまい。
まさしくレニーのWEST SIDE STORYのCDみたいでしょ。

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昨年に続いて今年も行われた香港フィルの野外コンサート、
会場は久々にハッピーバレー競馬場。数年前まではHKPOの
野外コンサートといえば、ずっとこの競馬場だった。
そしてその頃は確か入場券(無料ですが)なんかなくて、
勝手に聴きに行けたはずだけど、今年は去年と同様に入場券を
あらかじめ入手する必要あり。
去年は入場券配布(20,000枚)終了迄3日かかったけど、
今年は僅か1日で無くなったそうです(配布数は15,000枚だけど)。
明らかに香港市民に対してのHKPOの認知度がココ数年で
急激に高まっている現れだと思う。

さてコンサートでは観衆はそれぞれに芝生の上にマットを敷いて、
おやつやお弁当を広げてリラックスムードで素敵な音楽を!
なんだけど、 とにかく寒かったなあ。
ラフマニノフのパガニーニ・ラプソディーを弾いたピアニスト、
この寒さでよく演奏できたよね、って感心。



指揮をしたアサートン、観客の結構な盛り上がりで、
「オレってまだまだいけるじゃん!」ってウキウキしてるんじゃ!?

それにしても去年に比べて、今年の観衆は実にマナーが良かったなぁ。
演奏中おしゃべりする人なんか殆どいないし、変なフライング拍手も、
執拗なブラボーの声もなし。
やっぱり香港島に集まる観衆は 九龍側や新界よりお上品なのかしらん?

「王宮の花火の音楽」のフィナーレには花火はあがるわで、
実に楽しいコンサートでした。

それにしても寒かった・・・。

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2007/2008のスタートを飾るこのコンサート。
休憩を含むとのべ4時間の演奏会、
しかもコンサート形式のオペラだから、
退屈になるかも、と思っていたけど、全然全く!
あっという間のひとときでした。

最初は字幕を追いかけて聴いていたけど、
だんだんわけが分かんなくなりました、とほほ。
でもただただ音楽だけ聴いているだけで、
本当に幸せになれたです。
それにしてもエドの指揮だとなんでこんなに
自然な音楽が奏でられるんでしょう。
R.シュトラウスの音楽を思う存分堪能しました。

幕間はVIPラウンジでフリードリンク&フリーフードが
楽しめたもラッキー。

今シーズンもとても素敵なコンサートに巡り会える
予感を強く感じた演奏会でした。

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2006/2007のグランドフィナーレとなるコンサート、
指揮者はアンドレイボレイコ、Vnはジョシア・ベルで
リトアニアの作曲家ヴァウクスの「痛みの音楽」
(プログラムには「悲しみの音楽」とあるけど、
 dolorosa=痛みという意味なんだけどなぁ)、
チャイコのVnコンチェルト、プロコのSym.5。
一曲目の「痛みの音楽」、ヴァスクス自身がこう語っています。
”これは最も悲劇的な作品です。たった一つの楽天主義も
 希望もありません。あるのは痛みだけ”。
作品の背景にはバルト三国に対する旧ソヴィエトの圧政に
ついて描かれています。
弦楽だけで演奏される作品、悲痛な叫びや慟哭が巧みに表現が
されていたなぁ。ちょっとマーラーSym.10のアダージョや
バーバーのアダージョに影響されたかな?ってとこもあった
けど。それにしてもこの手の弦が主体の作品はHKPOが
もっとも苦手なはずだったのに、いい演奏だったわ。
この作品をちょい聴きするなかこちら。

2曲目のチャイコのVn協奏曲。最初から最後迄ジョシア・ベルで
尽くされたって印象。とにかく腰をクネクネして弾くから、
いいとも青年隊当時の羽賀研二を思い出したわ。
ベルのファンには、クネクネ腰を振られ、dolceな音楽を
奏でてくれるんで、もうたまんないだろうけど、
横でアベックがいちゃいちゃしててうっとうしいなって印象。
でも彼のサウンドは特に高音が美音ですね、すーーーっと
昇ってくるよう(わかるかな?)。

最後はプロコの5番。レニー&IPO、チェリ&ミュンヘンPOと
いう強烈な演奏(LPやCD)で聴いて刷り込みをされているので
果たしてどうなるかと・・・。

指揮者のボレイコ、ニュアンスや旋律の絡みとかをとても
大事にする指揮者だなぁ。そしてやっぱりロシアの血が
騒ぐのか、ダイナミックに鳴らす時はドッシンドッシンと
聴かせてくれますね、Bravo!CDでショスタコのSym.4や
マーラーSym.3を聴いてて、「これはなかなかの指揮者に
違いない」と感じていたけど、期待以上でした。
またHKPOに来てほしいな。エドとはまた全然違うタイプの
指揮者だし、なんか彼の指揮だとHKPOにはカンフル剤に
なるような気がした。

あーあ、2006/2007のシーズンはこれで終わり。
9月の2007/2008シーズン迄待ち遠しいなぁ。

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今日07/01は香港の中国返還10周年。
10年前の香港を思い出してみると、
確かに変わった部分もあるけど、
あんまり変わっていないかなぁ。
それよりあっという間の10年でした。

で、今日はデュトワ指揮の演奏会。
曲はラヴェルの「マメールロア」、
ストラヴィンスキーのVn協奏曲、
そしてリムスキー・コルサコフの「シェエラザード」、
とってもデュトワなプログラム。

凄い演奏でしたね、今聴いているのは本当に香港フィル?
全てがデュトワ色でした。

それにしても彼の指揮というか指示、実に巧みだなぁ。
チェロへのQ出しはボーイングの格好、
金管に出すときのQ出しは手のひらを胸から上に
押す出すようにと、奏者を操るやり方がうまい。
音量やアンサンブルを調整をするときは、指揮棒と左手、
体の姿勢や指揮台の自分の立ち位置まで使っている。

彼の要求に応える香港フィルも見事だったなぁ。
とりわけデリカシーに富んだ「マメールロア」が
素晴らしかった。騒ぎ立てず、実にノーブル。
でも決して痩せていない。

実はさほどデュトワのコンサート、期待もせずに行ったのです。
数年前同じ香港文化中心で彼がN響を指揮したコンサートに
行って、「なんだこりゃ」って思ったんで。
音楽監督をつとめるオケを連れて、この程度の演奏しか
出来ないのか、って正直思ったんです。
しかし今日聴いて気がつきました。
原因はN響がボンクラというか、指揮者と音楽を創りだそうと
していないから、何も感動も何もしなかったんだと。

それから最近になってなんかおかしいな、って思ったんすよ、
N響で聴かせた程度の指揮者が何故ロイヤルフィルや
フィラデルフィアOのような超名門のシェフになるのかって。

やはり凄い指揮者だったんだな、デュトワは。

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23/Juneのコンサートに行ってきました。

指揮者; ステファヌ・ドゥネーヴ
プログラムはチャイコフスキーとプロコフィエフの
「ロメオとジュリエット」、10年程前に亡くなった オランダの作曲家、
トリスタン・ケウリスの サクスフォン四重奏とオーケストラのためのコンチェルト。

ステファヌ・ドゥネーヴのことは全く知らなかったんだけど、
名門ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル・オケの 音楽監督だそうです。
なお風貌は「赤毛のジェームズ・レヴァイン」って感じ。



1曲目のチャイコフスキーの通称「ロミジュリ」の導入部 数分を聴いただけで、
この指揮者の恐ろしい程の才能を 実感しました。緊張感とその緊張から
解放される瞬間に 発するエネルギーの度合いが見事にコントロールされている。

2曲目のコンチェルト、ちょっとmusical adventureって 感じで、なんとなく退屈。
でもアンコールで弾かれた バッハの「トッカータとフーガ」、サクスフォン四重奏で
聴くととても新鮮で、かつバッハの作品の素晴らしさを 改めて実感。
バッハってどっかjazzyなんだよね。
いろんな編曲(ロックやジャズ、フージョンなどなど)すると、 また新しい音楽が創造される。

3曲目のプロコフィエフの「ロミジュリ」、圧倒されたね。
ダイナミズムと繊細さが見事に表現されており、 とにかく聴いていて、
何度も唖然とさせられました。

ステファヌ・ドゥネーヴ、今後彼の活躍ぶりは要注意!です。
赤毛のレヴァインには気をつけて

なお客席にはドゥネーヴが手兵とNAXOSにルーセルの 作品を録音した関係か、
クラウス・ハイマンNAXOS社長と 西崎崇子夫人がいらしてました。

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香港フィルの2005/2006のシーズンまではちゃんと聴いたあと、
ここに書いていたんだけど、2006/2007のシーズンはすっかりさぼりまくり。
まぁ印象深い演奏会が目白押しだったんで、いつでも書けるわなって思ってたら、
年を越しちゃった、すんません。

でも今日(02/16)聴いた演奏会はちょっとここに書かせて貰います。
指 揮: エド・デ・ワールト
二 胡; 陳軍
ピアノ: 孫穎迪

曲はあえて中国語で(そっちの方がニュアンスが伝わりやすいでしょうから)
1 《節日序曲》
2 《懷舊》
3 民歌主題組曲:《鬧元宵》、《茉莉花》、《藍花花》
4 《戰馬奔騰》
5 《良宵》
6 《北京喜訊到邊寨》
7 《紅色娘子軍》交響組曲選段:《序曲》、《快樂的女戰士》、《五寸刀舞》
8 《河》鋼琴協奏曲
9 郭文景 - 《禦風萬里》

1は英語ではFESTIVAL OVERTUREって付けられているように
ショスタコの祝典序曲そっくり。旋律はさすがに中国風だけど、ここでブラス、
ここで弦楽器、ここで打楽器、そしてフィナーレは金管が高らかに鳴るってのが
すべてショスタコの祝典序曲の展開と同じ。中国ではクラシック作品の作曲までコピーかよ!

2は1929年に共産化される前の上海を描いた作品。共産化された中国では
550年あまりも演奏を許されず、80年代になって漸く再び演奏されたそうです。
作品自体はR.シュトラウスの「メタモルフォーゼン」の出来損ない、って感じのもの。

3はにぎやかな典型的なコテコテ中国!って作品。あぁこりゃこりゃ♪風です。

4は二胡の超絶技巧を楽しむ作品。しかしそれがどうかしたの?って感じ。

5は4とはうって変わって二胡の音をしみじみぃって楽しむ作品。これは気に入ったなぁ。

で前半終了。なんか雲呑麺が食べたくなりました。

さて後半。
6の意味は「北京からいい知らせ」。なんか恋物語かサクセスストーリーか
何かと思ったら、「四人組が失脚したぞ!」がいい知らせだって。
まぁ文革でエラい事に中国全土がなっていたので、そうかも知れないけど、
何でもかんでも「四人組」のせいにしていたもんね。
当時(30年程前)、ぼくは北京放送の短波放送(日本語)を聴いていたんだけど
(BCLって知っている?海外短波放送を聴くのがはやっていたんよ)、
あれもこれも四人組のせいだ!って北京放送でヒステリックに何度も何度も言っていた。
中学生だったぼくは、「へえそんなに四人組って悪い奴らだったんだ」って信じ込んでいた。

7はその「四人組」の一人江青(ご存知毛澤東の奥さん)が大きく関係した
革命バレエ「紅色娘子軍」交響組曲。文革時代はこの革命バレエ「紅色娘子軍」、
舞台芸音楽「白毛女」、そして次の「黄河」しか管弦楽を演奏する事が許されていなかった。
 
「北京からいい知らせ」を演奏したあとで、四人組の張本人である江青が
関係する作品を取り上げるのは、何とも心憎い。「本当に四人組ばっかりが悪いの?
じゃこの作品の存在意義は?」ってなんかプログラミングを通じて、
聞き手に問いかけているような感じ。

8はご存知「黄河」ピアノ協奏曲。ぼくはこの作品を”世紀の駄作”と呼んでいる。
がちゃがちゃピアノとオケが鳴っているだけ、おまけに3楽章では
中国国歌義勇軍行進曲の冒頭は出てくるわ4楽章では毛澤東を讃える「東方虹」、
極めつけは共産主義のテーマ曲とも言われる”インターナショナル”まで登場。

 

思わず4楽章ではぼくは耳を塞いでしまった。ぼくより昔の世代の人は
このインターナショナルを50-60年代に学生・労働者として歌っていたと思う。
共産主義という国家が作り上げた架空の世界にどれだけの人が傷つき命を
落としたかと思うと、香港フィルの熱演にもさすがに拍手はできなかった。
拍手をすることは共産主義を認める事になる、とボクは思ったんで。

で、最後の9。これだけ作曲家名を書いたのは、エドデワールト&香港フィルの
お披露目公演の際にこの作曲家の作品を取り上げたからです。
今日の作品は香港の中国返還に際して作曲されたもの。
返還自体はぼくはちっとも嬉しくないのですが、作品自体は
とても夢に満ちあふれた感じで、香港の前向きさ、良くも悪くも
クヨクヨしないところが現れていました。
そしてこの曲だけが全く中国政府の関与を受けていない作品。

一晩でなんか共産主義国家中華人民共和国の姿を垣間見たような気がします。
そして教条主義に共産主義が走ると、こうも硬直した文化しか生まれてこないのかと。
芸術はやはり絶対的に自由な環境に有るべきです!

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