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だらだら思いつくままに香港フィルのコンサートの感想を書いています
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モーツァルト: ”コシファントッテ”序曲、ヴァイオリン協奏曲第5番
R.シュトラウス: 英雄の生涯
指揮: ローレンス・レネス
ヴァイオリン: 諏訪内晶子



”コシ”は少々軽めの流れだけど、なんとも弦の響きが美しい。
HKPOといえば、「ちょっと弦がねぇー」てのが、ぼくの印象だけど、
この日のストリング勢はいいぞ 。

そんなワクワク感を残して、次は諏訪内晶子の演奏。
5番の演奏する日本人ヴァイオリニストは1985年に広島で聴いた
”広島平和コンサート”以来。 その時のヴァイオリニストは14歳の五嶋みどり。
(当時の事はをここ見て下さい )
彼女の演奏を聴きながらなんとなくレコーディングで聴いたハイフェッツの事を
思い出しました。 そもそもハイフェッツってあんまり好きなヴァイオリニストじゃ
ないのになんでかな?って 思いながら、コンサートプログラムを見たらびっくり。
諏訪内のヴァイオリンはかつてハイフェッツが使っていた1714年製の
ストラリバリウスだって! 楽器の音色の個性がここまではっきり出てくるんですねー。
諏訪内の演奏ですがとにかく安全運転、シートベルトをしっかりつけて時速60km。
リズムやフレーズの切り込みもなく、とにかく淡々というか平べったぁーい。
アンコールで弾いたバッハ、何の印象も残らず・・・。

さてメインの”英雄の生涯”、これは出色の出来でした。
この曲といえば何と言ってもカラヤンの演奏が有名だけど、
レネスの演奏はカラヤンとはまさしく 対局とも言えるもの。
カラヤンの演奏はとにかく絢爛豪華、”カラヤンの生涯”とも呼ばれるほど、
何か勝ち誇ったというか、自己顕示欲丸出し、って演奏だけど、
レネスの演奏は、悩める英雄って感じ。
この作品にはシュトラウスの曲がちりばめられていることから、
30代半ばのシュトラウスがすでに 英雄気取りで作曲したように
とらえてられているけど(そういう風に演奏したのがカラヤン)、
レネスの演奏は若くして超一流の作曲家となったシュトラウスが
これからどのように作曲を 続けていけるだろうか、果たしてこれからも
作品を創りあげることが出来るだろうか、と悩み抜いた末に
この作品を作ったような印象を受けました。
シュトラウスが愛したモーツァルトは35歳で亡くなりましたが、
英雄の生涯が作曲されたのは シュトラウスが34歳の時。
英雄の生涯の後、彼は一曲も交響詩を作曲していませんので、
彼はこれから作曲を続けていく事の節目としてこの作品を
作曲したようにぼくは思えます。

全体の印象はそんな感じでしたけど、決して弱々しいとかそういうものではなく、
一つ一つのフレーズを 実に丹念に、そして旋律の掛け合いのバランスや
ピークや緊張感のもって行き方が実に見事で、 作り込みがとても丁寧で
素晴らしい演奏でした。

1970年生まれのレネスにとって、シュトラウスがこの作品を作曲した年齢と
ほぼ同じということもあり、 どこか共感する部分があったのかもしれません。
ヨーロッパを中心に大活躍をしているレネス、 これからも今までのように
指揮をする機会があるだろうか?とどこか悩みながらも、とにかく指揮を
続けていくしかない(人生ってそういうものですが)、そういった心が
シュトラウスにそしてこの作品に 大きな共感をレネスが覚え、
素晴らしい演奏を生んだのでは、と感じました。
そんな彼の想いをHKPOは実に見事に応えて演奏していたと思います。

=mixiに香港フィルのコミュを立ち上げています。是非ご参加ください!=


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