忍者ブログ
だらだら思いつくままに香港フィルのコンサートの感想を書いています
 カレンダー 
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
 フリーエリア 
 最新CM 
[10/26 ばってん]
[10/25 madame okami]
[06/07 ばってん]
[05/26 Kentaro]
 最新TB 
 プロフィール 
HN:
ばってん
性別:
男性
職業:
半導体商人
自己紹介:
1996年より香港在住です
 バーコード 
 ブログ内検索 
 カウンター 
 [PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


五嶋みどりさんは今回2年ぶりの香港フィルとの共演。香港公演に先立ち、みどりさんは「ミュージック・シェアリング」の活動で5月26日~6月7日、北は福島県郡山市、南は高知県四万十市まで、日本全国各地全17か所の学校やこども病院などを回るほか、東京と大阪ではICEPの活動報告コンサートを開催された。現在みどりさんが積極的に活動されている様々な文化活動についてまずうかがった。

*「ミュージック・シェアリング」について
特定非営利活動法人「ミュージック・シェアリング」(2002年設立)の前身は「みどり教育財団(Midori&Friends)東京オフィス」で、「Midori&Friends」は1992年にニューヨークで設立しました。Midori&Friendsを設立するきっかけとなったのは、80年代後半のアメリカで、政府が芸術一般に対する予算の削減を打ち出したことにより、当時住んでいたニューヨークの公立小学校では、音楽の授業が削られ、音楽業界でも話題になっていたのに、大人たちは話題にするだけで何の行動も起こさないことに単純に疑問を持ち、何かするという使命感のようなものを覚えたからです。私が個人的に学校を訪問して音楽教育のお手伝いをするというのでは、いろいろ制約や限界がありますし、活動内容をクラシック音楽や、ヴァイオリンに限りたくなかったので、財団を作り組織化しました。それが「Midori&Friends(みどり教育財団)」の始まりです。アメリカと日本は社会環境も教育制度も違いますから、日本では日本に合った独自のプログラムを実施していきたいと考え、 2002年に「ミュージック・シェアリング」を新たに立ち上げ、それまで「みどり教育財団」として行ってきた活動を引き継ぎ、さらに日本の事情に合わせた新たなプログラムを実施してきました。“訪問プログラム”では西洋音楽だけでなく、箏や笙の邦楽演奏家が子どもたちのもとを訪れ、お話や演奏体験を交えたコンサートを実施する会もあります。

*ICEPの活動について
「ICEP(インターナショナル・コミュニティー・エンゲージメント・プログラム)」では、世界中からオーディションで選ばれた若手音楽家と私が弦楽四重奏を組み、2006年からアジアの国々を訪れ、子どもたちに本物の音楽を届ける活動をしています。ベトナム、カンボジア、インドネシア、モンゴル、そして昨年12月にはラオスを訪問しました。ヴァイオリンなどの西洋の弦楽器を見たことも、演奏を聴いたこともない子どもたちが、私たちの演奏を見て、聴いて、自分たちの知らない世界があることに気づくことによって、好奇心を芽生えさせ、向上心を育むことを目的としています。また、この活動には、私と一緒にこの活動に参加する若手音楽家のコミュニティー・エンゲージメント活動のトレーニングというもう一つの目的もあります。なぜ日本のNPO法人がアジアの国々で活動を行うのかというと、経済的にアジアの発展に貢献してきた日本が文化面でも同じような役割を果たすべきだと思ったからです。そして、現地で経験したことを今度は日本に持ち帰り、日本の子どもたちに、現地の子どもたちの前でも演奏した音楽を聴いてもらい、私たち音楽家の口から直接、現地の同年代の子どもたちが置かれた環境や現状を語りかけると、日本の子どもたちは、異なるバックグラウンドを持つ他国の子どもたちがどのようにその音楽を享受したのか、と思いをはせることにつながります。こういった活動を通じて、現地の子どもたちの実情を日本の子どもたちや、また報告コンサートなどで一般の方々にもレポートすることが、国連ピース・メッセンジャーを務める私の役割でもあると思っています。 *国連ピース・メッセンジャーの活動について国連ピース・メッセンジャー(2007年9月23日、みどりさんは潘基文国連事務総長よりピース・メッセンジャーに任命)というのは、選ばれた者の各々の分野で、国連の活動や平和の問題などをアピールしていくことを求められています。国連から依頼された具体的な活動というものはなく、私が普段行っている活動を通して、一人でも多くの方に、国連の“ミレニアム・ゴール(ミレニアム開発目標)”に関心をもっていただき、世界の様々な問題に目を向けてもらえるよう努力するのが私に与えられたミッションです。

*様々な活動はそれぞれどのように関係していますか?
演奏活動、コミュニティー・エンゲージメント活動、大学での指導など、私の活動は全てつながっていて、同時にいくつものプロジェクトが進行しています。どれも私にとっては大切な活動です。演奏活動以外の活動を積極的に展開していることで、私はときどき「こうした活動が音楽にどういうふうに影響を与えていますか」という質問を受けることがありますが、音楽のために社会貢献活動をしているわけではなく、音楽活動のすべてが、知識も人の輪も広がる喜びにつながっています。コミュニティー・エンゲージメント活動や大学で学生と接することで、普段のコンサート活動では体験できない貴重な経験をたくさんさせていただいていると思っています。人々との出会いや触れ合いはとても刺激になりますし、それらの活動を通してインスピレーションが湧いたり、新しいアイディアが浮かんだりすることもあります。

*一見貧困ではないが、心や内面が貧困である事に対してのみどりさんの見解
貧困という問題に限りませんが、データだけでは判断できない、数字だけでは正しく判断できないことが多いと思います。ですから、自分の目で確かめることは非常に重要だと思っています。私が様々な活動を通じて学んだこと、肌身で感じたことを、できるだけ多くの方々に伝えて、問題意識を持っていただくことが大切なことだと思っています。

*香港ではみどりさんが行っている活動は行う予定はありますか?
ミュージック・シェアリングのICEPの訪問国は、理事会によって決められます。実は今年の12月に、バングラデシュを訪問する予定でしたが、地震もあり延期することになりました。それ以降の訪問国はまだ決まっていません。基本的にクラシック音楽に接する機会の少ない子どもたちのところへ本物の音楽を届ける活動ですので、東南アジアの国々で活動するケースがこれまでは多かったです。

*今回の2年ぶり香港での公演について 2年前の香港フィルとの共演以外にリサイタルや別のオーケストラとの香港公演などで、何度も香港で演奏会を行っていますが、今回の香港フィルの公演は共演する指揮者もホールも演奏する作品も全て異なるので、とても楽しみにしています。ただどういうわけか、香港を訪問するのはいつもとても暑い時期なのです・・・。

*みどりさんは料理が大変お好きだとお聞きしましたが、世界各地を公演されるにあたり健康面で特別に食事について
何か特別なことはされていますか?食事については、特にこれが食べたい、とか逆にこれは食べないといった特別なこだわりはありません。現在ロスアンジェルスに住んでいるのですが、そこでは様々な料理が食べることが出来、色々な料理を楽しんでいます。好きな味ということでしたら、辛い料理が好きですね。中華料理も大好きなのですが、中華と言っても本当に色々な地方の料理があって、それぞれが独自の味付けの仕方があって、時々迷ってしまうほどです。料理についてですが、スーパーなどで食材を買いに行く時は、予め何を作るからこの食材を買おう、というやり方はしないのです。スーパーに行ってみて、食材を見て料理を決めます。実は音楽家になってから、改めて大学に入ったのですが、入学の際にはこれを勉強しよう、とは決めていなかったのです。大学でのコースを色々受けてみて、それから自分の興味がある分野について勉強をすることにしました。健康面での食事については、やはりナマモノと飲料水については気を付けていますが、先程もお話した通り、それ以外は特別な事は行っていません。

*レコーディングについて
みなさんから「新譜はいつ出るのか?」とよく聞かれるのですが、今後の録音予定は特にありません。コンサートやお話をさせていただいた様々な活動のような「ライブ」の方が私は大好きで、レコーディングについては私としてはプライオリティーが低いです。録音についてですが、収録から編集を終えると私にとってはこれで終わったものとなります。自分の録音を改めて聴き直すということもありません。

*今後の香港公演について現時点では未定ですが、2~3年おきにオーケストラとの共演やリサイタルで香港を訪れているので、また近い将来香港に訪問できれば、と思っています。

演奏会後記
1985年8月の広島平和コンサートで初めてみどりさんの演奏を聴き(当時みどりさんは13歳、「そう言えば、あの演奏会の時も、とても暑かったですよね」~みどりさん談)、それ以来何度となく彼女の演奏に接する機会があったが、いつも彼女の音楽に対する並々ならぬ”突き詰め”に毎度圧倒されている。2年前の香港フィルとの公演(アサートン指揮ブラームスのヴァイオリン協奏曲)でもそうだったが、今回の公演(エド・デ・ワールト指揮チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲)でもみどりさんのヴァイオリンが作品の全てをグイグイと引っ張っていくような印象だった。また香港フィルのサポートは実に見事なもので、時にはヴァイオリンに寄り添い、時にはヴァイオリンに対峙し、息をのむような丁々発止な名演奏が繰り広げられた。

拍手

PR

Template by ららららいふ / Material by 素材くん「無料WEB素材屋」

忍者ブログ [PR]